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今回のミニコラムでは 「そもそも、なぜブランディングは必要なのか?」 を、できるだけシンプルにお届けします。
そしてもうひとつ、多くの方が誤解しやすいポイントがあります。
それは、ブランディングは短期間で結果が出る施策ではないということ。
このコラムでは、ブランディングの必要性とともに、トータルブランディングを行う際に必要な最低期間の目安についても解説します。
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1. ブランディングはなぜ必要なのか?
1-1. 良いサービスだけでは“選ばれない”時代
消費者は、数多くの選択肢の中からブランドを選んでいます。
価格、機能、デザイン、評判…
物やサービスが飽和市場の現代、同じようなサービスが並ぶなかで、
“良いものだから選ばれる”とは限りません。
そこで生きてくるのが、
「ブランドとしての印象」「どんな気持ちを提供するのか」
といった 情緒的価値 です。
ブランディングは、この“選ばれる理由”をつくるための取り組みです。
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1-2. 思い出してもらえなければ、選ばれない
サービスが選ばれる第一歩は、「思い出されること」 です。
消費者が “買おう”“探そう” と思った瞬間、頭の中にあなたのブランドが浮かぶかどうか。
この“思い出される状態”をメンタル・アベイラビリティ(想起されやすさ)といいます。
どれだけ素晴らしいサービスでも、想起されなければ、そもそも選択肢に入れません。
ブランディングは、この入口を作るアクションでもあります。
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1-3. 一貫した体験が、信頼を育てる
SNS、店頭、サイト、接客、言葉づかい……ブランドはあらゆる接点で印象づき、評価されています。
もし各所で印象がバラバラなら、
消費者は「なんとなく不安」「よくわからない」と感じてしまうでしょう。
ブランディングは、
すべての接点が“そのブランドらしく”統一されるように設計する活動。
一貫性は、安心と信頼につながり、結果として選ばれ続けるブランドへ育っていきます。
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1-4. 長期的には広告費を減らし、自然と選ばれるブランドに育つ
ブランドが育ってくると、
•指名検索
•自然な口コミ
•リピート利用
•SNSでの好意的な言及、シェア
が増えていきます。
ブランディングは、「広告に頼らずとも選ばれる状態」をつくる投資。
短期ではなく、未来の利益を育てる視点が欠かせません。
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2. トータルブランディングに必要な“最低期間”
ここからは、企業が誤解しがちな「時間軸」について。
ブランディングは、
今日決めて明日成果が出るような施策ではありません。
最低でも3〜6ヶ月以上。
基本的なブランド構築なら6〜12ヶ月以上は要することが一般的です。
理由は段階ごとに明確です。
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2-1. まず“ブランドの軸づくり”に1〜2ヶ月以上
トータルブランディングの最初の工程は、
•事業の目的
•誰に届けるか
•価値観
•世界観(トーン&イメージ)
•他社との違い
などを整理し、ブランドのコア(軸)を作ること。
この軸はブランディングすべての土台になるため、
丁寧なヒアリングと検証が欠かせません。
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2-2. ロゴや世界観など“表現”づくりに1〜3ヶ月以上
ブランドの軸が固まると、
•ロゴ
•カラー
•ビジュアル
•メッセージ
•WEBサイト
などの表現を作ります。
世界観を合わせながら形にしていくため、
ここも一定の時間が必要です。
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2-3. “認知 → 想起 → ファン化”は、接触の積み重ねから生まれる
ブランディングの要は、
「人の心に響いた記憶を育てること」。
そのため、
SNS・発信・広告・リアル体験など、多角的な接点を通じた印象や体験から、少しずつ“ブランドとしての存在感”が育っていきます。
現実的には、
•3ヶ月以降:認知が広がりはじめる
•6ヶ月以降:特定のシーンで思い出されるようになる(想起)
•12ヶ月以降:ブランドの“らしさ”が市場に定着し始める
という時間軸が多いケースです。
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3. ブランディングは“未来の売上”をつくる活動
即効性のある広告とは違い、
ブランディングは中長期で効いてくる施策です。
しかし、いったんブランドが育つと、
•価格競争に巻き込まれにくい
•選ばれやすくなる
•リピートや紹介が増える
•社内文化や採用にも良い影響が波及する
といった“長く続くメリット”を得られます。
今日の売上ではなく、未来の売上をつくる。
ブランディングは、そうした視点で長期的に取り組むべき投資・活動です。
